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夜の山手線(第一話) [山手線シリーズ]

(実話)
金曜日、夜11時。ほどほどに混んでいる山手線の車内。
二十歳前後の学生風男子。相当に酔っている。
一つのつり革に、両方の手で、まさにぶら下がるように立っている。
顔は、自分の肩にうずめ、目を閉じ、口は開き、
膝も 時折、ガクガク しているけれど、大丈夫か。
ガタン
電車が大きく揺れた。
ドドドドッーー
学生が飛んだ。飛んで、反対側の、座っている人の所まで。
サラリーマンの膝の上に、ドサッっと座る。
「すみません、スミマセン」
「謝るのは後でいいから、早くどけよ」
その通り。
突然、学生が自分の顔の前に拳を握り締め、叫ぶ。
「うおおおお」 サラリーマンの膝の上に、座ったままで。
彼の手には、まだ、つり革が握り締められていた。
あ~あ、切っちゃったのね。

昼の山手線(第一話) に続く


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seazon

その様子を思い浮かべたらつい笑ってしまいました。
学生さんは不運でしたね。
by seazon (2005-04-13 15:45) 

たかじゅん

umino さま、こんばんは。
コメントありがとうございます。そしてnice まで頂いちゃいました。
私にとって、頂いた 「初nice」 です。
なんだか、すごくうれしい。メチャクチャうれしいです。
...って頂いたコメントに対する返事も無しに、ただただ喜んじゃいました。
uminoさんの所へも、遊びに行かせてください。
今後とも、よろしくです。
by たかじゅん (2005-04-15 02:37) 

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