重ね重ね [山手線シリーズ]
伏見稲荷の「千本鳥居」ってのは聞いたことがあるけれど、
山手線の「4本つり革」は、聞いたことはありません。
優先席の近くでは携帯電話はオフにしましょう ^_^ ;
(後日談)
実は、この数ヶ月前、伏見稲荷へ行きました...と白状する。
夜の山手線(第三話) [山手線シリーズ]
( カッコ内は僕の心の声 )
----- 1つ目 -----
女子大生A 「それって、時計で言うと12時のあたり?」
女子大生B 「ううん、もっと上の方」
(ええっ、どこ??)
女子大生A 「ああ、そうか!」
(そ、そんなぁ)
----- 2つ目 -----
彼女A 「こないださぁ、二日酔いで、もう死にそうだったの」
彼氏B 「うん」
彼女A 「バイク乗ってて、急ブレーキかけるたびに 前に つんのめって 何度もオエ ってなちゃった」
彼氏B 「自分で運転していたんだろ? 急ブレーキかけなきゃいいじゃん」
彼女A 「だって、私、運転 荒いんだもん」
彼氏B 「バカじゃない?!」
(それもそうだけど、そんな二日酔いで運転して良いのかなぁ)
昼の山手線 (第三話) [山手線シリーズ]
水曜日、朝8時10分。山手線(内回り)の車内。
通勤ラッシュ。それなりに混んでいる。
閉まりかけたドアから20代の OL さんが駆け込んできた。
クリーム色のハンドバッグと薄い水色の小さなポシェットを持っている。
プシュー。
ドアが閉まったとき、 「あっ」 と かわいらしい声が聞こえた。
何だろうと見ると...
ポシェット君がドアに挟まれている。それも紐だけ車内、本体はドアの外。
挟まれたのは紐だけで、ドアはちゃんと閉まり、そのまま電車は代々木駅を出発。
あーあーあー、走り出しちゃったよ。もうだめだぁ。
ドアの外では、ポシェット君が風にあおられ、バタバタしている。
まるで、「ご主人様、助けてー」 と言っている様に。
OL さんが、紐を グイ っと引く。
ドアの外側にぴったり引き寄せられたポシェット君は、ほとんど揺れなくなった。
だけど、決して中に入ってくることはないよね。
代々木駅で閉まった、この左側のドア、次は田町まで開かないんだ。
山手線一周 34.5km 1時間ちょっと。
代々木—田町 間は、山手線の ほぼ3分の1周。
この OLさん が、田町とか浜松町とかに通っている人ならいいのだけれど、と思いつつ僕は渋谷で降りた。
昼の山手線(第二話) [山手線シリーズ]
調子に乗って 「山手線シリーズ」 第4弾 (おいおい ・_・;)
(実話)
去年の1月2日のこと。
お昼前、11時の山手線。原宿から池袋へ向かう車内。
電車に乗ったとき、足がべたついた。
なんだよ、気持ち悪いな、ベトベト して、と思った。
そして気がついたら床には、幅 5センチほどの小川。
走り出すとき、前の方から流れて来た。 サササー。
止まるとき、後ろから、流れて、戻って来る。 チョロチョロー。
冬場は椅子がヒーターで暖められている。
乗っている人の顔がほんのり赤い。
でも暖房だけで、みんながみんな、こんなに赤くならないよな、とか思った。
連結器の脇、優先席の端に、 割れた一升瓶が2本 あったりする。
暖房の暖かさが、ほど良い 「お燗」 状態だったのね。
昼の山手線(第三話) に続く
夜の山手線(第二話) [山手線シリーズ]
(実話)
月曜日、夜0時30分。山手線の車内。
電車が目黒駅に入ろうとブレーキを掛け始めた。
逆加速度によろけながら、酔っ払いが、たたらを踏み、
2mほど離れたメガネをかけた40代のサラリーマンに、寄りかかるようにぶつかった。
ドン。
よろけた酔っ払い。倒れまいと、必死に何かにつかまろうとする。
ビリ。
ビリッ、ビリビリビリー。
肩の所から、きれいに 破けた。
えっ、そこから取れるんだ。取れちゃうんだぁ!
片方だけ、まるでベストの様な紺のスーツ。
夏物で、生地が薄かったのかな。
肩から肘まで見えている白いワイシャツが眩しい。
手首の辺りに集まった ちょっと前まで 「そで」 と言う名前だった布の輪を指しながら、メガネが言う。
「テメー、どうすんだよ、これ」
「済みません」 と酔っ払い。
「済みませんで、済むかよ。降りろよ。」
大きな声を出しながら、二人はもつれるように山手線を降りていった。
でも、もう、終電だよ。
ここで降りたら、家に帰れなくなっちゃうよ。
プシュー。ドアは閉まり、電車はゆっくり走り出した。
昼の山手線(第二話) に続く
昼の山手線(第一話) [山手線シリーズ]
(実話)
午後三時。ちょっと混んだ山手線の中。
椅子はいっぱいで、立っている人がちらほら。
ドアに寄りかかって立っている男の子。5歳かな、6歳かな?
「ママ、眠いよぉ。倒れそうだよ~」
「もう少し我慢しなさい。ウルトラマンだって、倒れそうなとき我慢してるでしょ。」
そうか、ウルトラマンも、我慢してるんだ。
夜の山手線(第二話) に続く
夜の山手線(第一話) [山手線シリーズ]
(実話)
金曜日、夜11時。ほどほどに混んでいる山手線の車内。
二十歳前後の学生風男子。相当に酔っている。
一つのつり革に、両方の手で、まさにぶら下がるように立っている。
顔は、自分の肩にうずめ、目を閉じ、口は開き、
膝も 時折、ガクガク しているけれど、大丈夫か。
ガタン
電車が大きく揺れた。
ドドドドッーー
学生が飛んだ。飛んで、反対側の、座っている人の所まで。
サラリーマンの膝の上に、ドサッっと座る。
「すみません、スミマセン」
「謝るのは後でいいから、早くどけよ」
その通り。
突然、学生が自分の顔の前に拳を握り締め、叫ぶ。
「うおおおお」 サラリーマンの膝の上に、座ったままで。
彼の手には、まだ、つり革が握り締められていた。
あ~あ、切っちゃったのね。
昼の山手線(第一話) に続く